今朝のフジテレビ系の全国放送番組「サン!シャイン」で、JWTFF受賞作品が紹介されました。
JWTFFディレクターの木川剛志です。
全国放送で、再び「観光映像」が紹介されるようになってきたようです。思い返せば10年ぐらい前のこと、流行語大賞に「インバウンド」や「爆買い」が選ばれるような時代がありました。その頃は、ひっきりなしに日本全国の「おもしろ観光映像」がワイドショーなどで取り上げられていたものです。そして、今もあるとは思いますが、映像の効果を測るによく使われる言葉、テレビで取り上げられることで「広告換算費」が高くなるので、バズった映像が成功事例とされました。そのため、観光映像が、日本の観光の大切なものを伝える「観光映像」ではなくなっていた頃がありました。
しかし、今回の放送内容を見て、隔世の感があります。とてもうれしい。「観光」を大切にした「観光映像」をこのように全国放送が紹介してくれる時代が来たのです。以下のYoutubeの後半部分でJWTFF受賞作品が紹介されます。
おそらくですが、産経新聞の和歌山支局からの取材が少し転機となったのかも知れません。記者の方にじっくりと「観光映像祭」について取材をしてもらい、記事になりました。以下に紹介している記事の後半部分が観光映像祭についてです。

同じ、グループということもあり、産経新聞の記事の効果もあったと思います。「週刊フジテレビ批評」にJTB総研の山下真輝さんとゲストとして呼ばれることになったのです。
山下さんとは十年来のつきあいがあり、JWTFFを立ち上げる前から、お互いに観光映像における危機感を共有した仲間です。番組が決まった時「ようやくここまで来ましたね」と感慨深くメッセージをやりとりしました。

「週刊フジテレビ批評」は4月19日の放送でした。JWTFFから推薦した観光映像を紹介しながら、観光映像とはなんぞや、そしてどうあるべきか、を山下さんと語り合いました。
そして、今回の全国放送です。番組「サン!シャイン」にはJTB総研の山下真輝さんもコメンテーターとして出演されていました。
まず、何よりも嬉しいことが、JWTFFが厳正な審査を得て選んだグランプリ作品、受賞作品をこのようにメディアに載せて、より多くの人に届けることができたことです。かつてこれは「目立つ」こと「バズる」ことによってのみ実現したことでした。しかし、良い観光映像だから、これからの観光に大切な観光映像だから、紹介してもらえる、その流れがここにありました。
今朝の番組で紹介されたうちの一つは、JWTFF日本部門グランプリ、熊本県南阿蘇の「わく、みなみあそ issue2」でした。

この映像は「南阿蘇村に住む人たちの素顔が紹介されている点」が素晴らしいのです。この映像については番組の中で、山下さんからも解説もありましたが登場するのは地元の方々。その地元の方々が地元の温泉とどう繋がっているのか、が映像の中では映し出されています。彼らの日常を求める「非日常」。この素晴らしさを番組では紹介してくれていたのです。
「わく、みなみあそ」のプレスリリースは以下にあります。

そして、JWTFF日本部門で優秀賞に輝いた京都市の観光映像「KYOTO PROMOTIONAL MOVIE -Where Every Corner Sparks Discovery」の映像も紹介されました。

こちらの方も、京都の清水寺や嵐山ではなく、地元の人が楽しむ場所を見に行く、というコンセプトを明確にアナウンサーが読み上げてくれていました。それについて、コメンテーターでご出演されていた武田鉄矢さんが「日本への興味が一段進化した」というコメントを言われていましたが、まさにその通りだと思います。
観光の読み方が、「疲弊した地方の復興」から「人間の生き方の模索」「日本のオルタナティブなあり方」へ暗黙的に動いている。それを優れた映像は少し先に表現してきましたが、それが一般にも広がってくる。これがテレビで紹介される意義でしょう。
観光映像祭を立ち上げなければならない理由が10年前にはありました。今、それはようやく「誰にも理解されないニッチなものをバズらせることで周知する映像」から「理解されている『当たり前の観光』の道を示す観光映像」へと変化しつつあるようです。
いろいろありましたが、映像祭を立ち上げて、そして続けてきて良かったと思います。
この流れがこの日本に良い影響を与えられますように。
JWTFF受賞作品を海外映像祭へ出品します。
最後にお知らせがあります。4月末までの予定。つまり明日までです。
Motion GalleryにてJWTFF受賞作品、ART&FACTORY JAPANの海外映像祭への応募への支援をお願いしております。
正直、上手くいっていません。でも、やりきります。今回紹介した、「わく、みなみあそ issue2」も支援リストに加えました。このような日本の素晴らしい映像が海外に届き、それが海外の映像にも影響を与え、世界のよりよい観光につながっていくことを夢見ています。観光は、人の道を知ること。人とわかり合い、そして平和を願うこと。
どうぞ、よろしくお願いします。
木川剛志 JWTFFディレクター
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