2024年3月に第6回日本国際観光映像祭は終了しました。しかし、これは終了と同時にスタートの時でもあります。
一介の大学教員が主催している映像祭なので、その規模については疑問に持たれることが多いです。たしかに会場に来られる方はのべで200人強。小さな映像祭です。しかし、応募数は日本部門242本に国際部門は1036本。そして日本国際観光映像祭はCIFFTという国際観光映像祭ネットワークのメンバー映像祭なので、国際部門で受賞をするとCIFFTのRanking Listに加わります。一つの映像祭が終わると賞に応じて加点され、随時ランキングが更新されていく仕組みです。そして、実は日本国際観光映像祭はその開幕戦です。世界の観光映像は毎年3月にドイツベルリンで開催されるITBに合わせて公開されます。そして、その直後に日本国際観光映像祭は開催されます。
そして日本国際観光映像祭から、CIFFTの観光映像のシーズンは始まります。
CIFFT Ranking List
https://www.cifft.com/ranking_list/
ただ、日本国際観光映像祭を3月に開催するのは、上のように開幕戦を飾れるという意味では意義があるのですが、問題もあります。ほとんどの映像はITBに合わせての制作なので、日本国際観光映像祭の応募に間に合わない映像も多いということです。そのため、さらに多くの今年のトレンドを担う映像が出展されるのは、4月以降に締め切りを迎える映像祭です。
主要国際観光映像祭の応募締め切りリスト
https://www.cifft.com/festivals-entry-deadlines/
こちらでわかるように、ほぼほとんどの映像祭が5月から7月に締め切りを迎えます。
そして、それらの審査を経て、9月から10月が映像祭のシーズン、そして11月にCIFFTランキングに基づく、2024年で最もすごい映像が決定します(今年もバレンシアで最終の発表が行われる予定)。
次の投稿では、日本国際観光映像祭と特に縁の深い、ポルトガルのART&TUR、スペインのTerres Travelについて詳しく書いていきます。
執筆者プロフィール

木川剛志
日本国際観光映像祭総合ディレクター
和歌山大学観光学部教授
1995 年京都工芸繊維大学造形工学科入学。在学時よりアジアの建築、特にジェフリー・バワに興味を持ち、卒業後はスリランカの設計事務所に勤務する。2002 年UCL バートレット大学院修了。2012 年に福井市出身の俳優、津田寛治を監督として起用した映画「カタラズのまちで」のプロデューサーをつとめたことから映画製作に関わるようになる。監督として2017 年に短編映画「替わり目」が第9 回商店街映画祭グランプリ、2020 年にドキュメンタリー「Yokosuka1953」がReykjavikVisions Film Festival 最優秀長編ドキュメンタリー映画賞、Vesuvius International Film Festivalにて最優秀ドキュメンタリー脚本賞などを受賞。観光映像では須藤カンジを監督に起用しプロデューサーと撮影をつとめた「Sound of Centro」がART&TUR 国際観光映像祭でポルトガル観光誘客(都市)部門最優秀作品賞。2019 年より日本国際観光映像祭実行委員会代表、総合ディレクターをつとめている。
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