台湾北部、新北市の観光映像

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Pick Up 観光映像

観光映像の範疇って結構あいまいな部分があると思います。いわゆる観光誘客に特化して土産物屋さんのモニターでも流れるようなド本流な観光映像もあれば、観光地を舞台にした映画も考えようによっては観光映像と言えるかも知れない。今回は、意図的に観光映像でもあろうとした、Music Video「Higher」の紹介です。台湾北部の街、新北市の観光映像です。

この台湾の観光映像は台2線という新北市淡水区から宜蘭県蘇澳鎮まで続く省道の観光誘客を意図した作品で、海沿いの風景の魅力と自然の豊かさ、そしてアクティビティが提示されています。日本の方だと、九份に向かう時に通る道と行った方がわかりやすいですね。観光バスはおそらくこの台2線を通って金鉱の工場の横を通って山道を上がっていくんだと思います。ちなみに金鉱の工場跡はこの映像にも写ってますね。たぶん、戦前の藤田財閥の工場ですね。

私自身、台湾に行った時にはよく通る道路ではあるのですが、こんな風な風景として見たことがなかったです。よくよく考えたら南国です。南国ならではの空気感、そして台湾の若者たちが楽しんでいる風景が、その地区に新たなイメージを挿入してくれるのだと思います。日本からの観光客も九份や老街だけでなく、こういうところも見て欲しい、そういう意図を感じます。実際、台湾の先生方と淡水のレストランに連れて行ってもらったことがありますが、本当におしゃれで楽しい経験ができました。

楽曲のHigherはオーストラリア出身で今は台湾を拠点に活躍するJulia Wu(吳卓源)さん。監督はJay Chern (陳鈺杰)さん、地元台湾でも多数の受賞作がある映画監督で、日本だと日台合作の「おもてなし(2018)」(田中麗奈主演)の監督としても知られます。つまり観光映像の世界でも、これだけの売れてる歌手と監督がコラボレーションしながら作り出す流れが、台湾にはあるということなんだろうと思います。

観光映像も観光地を応援する映像、MVもミュージシャンや楽曲を応援する映像なので、これからは日本でもこういうコラボレーションの動きは広がるんじゃないでしょうか。今までも愛媛県の疲れたら愛媛や、呉市のクレ氏なんかがありましたが、あれらは観光ありきで、そうじゃなくきちんとMVとして成立する形で生まれてくると、大きな効果が双方に得られるように思います。

審査はなかなかに大変でした。審査員によっては観光映像じゃない、という判断を下す人もいました。しかし、そこに観光誘客の意図があることは明確で、それを実現するための手法も使われているので観光映像です。こういうような観光映像の範疇を広げる映像を表彰することによって、観光映像を広げるのも映像祭の目的なので、Music Video in Tourismという賞をつくり、こちらはGood FIlmに輝きました。

その受賞が最近、台湾でニュースになったみたいです。

新北市のPRフィルム、日本の映像祭で受賞 監督が賞状を市長に贈呈/台湾
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/202006110001.aspx

こういうニュースが映像祭をやっていて一番うれしいことです。今年の映像祭は受賞が2/28だったこともあり、プレスリリースの効果がたいへん限定的になってしまいました。今は映像祭の運営も更新中でして、受賞ニュースがもっと大きく届くような体制づくりをしています。がんばっていきます。

日本国際観光映像祭
ディレクター 木川剛志

Higher

Good Film, Music Video in Tourism, JWTFF2020

映像は以下のリンクから
http://kitamaetei.info/aiovg_videos/28_2020/

Producer
New Taipei City Tourism and Travel Department
Director
Jay Chern
Location
New Taipei, Taiwan

 

 

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