豊後二見ヶ浦 大しめ縄張替え

 私の地元、佐伯市には、初日の出スポットとして人気の豊後二見ヶ浦がある。男岩、女岩の二つの夫婦岩の間にかかる巨大なしめ縄は壮観だ。毎年12月には、新年を迎えるにあたり、しめ縄の張替えが行われる。しめ縄は全長約65メートル、重量約2トンもあるので、多くのボランティアの力が必要で、一大イベントだ。この様子をぜひ知ってほしいと思い取材した。
 今回は新型コロナウイルス対策のために参加者を地元住民に限定して行われた。その中には、51年前の発起人であった中村正美さんの姿があった。今でも毎年欠かさずに参加して、このしめ縄が地域の人の心の拠り所になっていることが嬉しいと語る。
 作業は丸一日がかりだ。まずわらを編み、しめ縄の原型が出来上がる。その中にはそれぞれが願い事を記した事札も入れられる。巨大なしめ縄を編み込む作業では、参加者は皆汗を流していた。完成したしめ縄は、参加者全員の手によって岩へと運ばれる。この岩にしめ縄を引き上げる場面がクライマックスだ。もっとも力を必要とするところで、けたたましい笛の音とともに大きな掛け声が飛び交う。
 こうしてしめ縄は無事に張り替えられ、会場は大きな達成感に包まれていた。私たち撮影隊も手に汗握りながら、3台のカメラでこの催しを記録した。この映像で豊後二見ヶ浦の魅力と地域の人たちの思いが伝わることを願っている。
プロデューサー:小島康史
監督:市原匠
発注者:大分合同新聞社
ロケーション:大分県佐伯市
尺:3分44秒
制作年:2021

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