まもなく、審査結果を発表します。

現在、審査の進行中です。日本部門においては、Official Selection、Finalist、Awards Winnerといった結果がでますが、まずはOfficial Selectionの発表を来週には行います。

今年の日本国際観光映像祭は、滋賀県甲賀市で開催されます。甲賀市は、忍者、信楽焼、そして東海道が通った歴史など、日本の地方が育んできた大切な文化や記憶が、今も数多く残る場所です。

今年の応募総数は、日本部門174本、国際部門1334本となりました。現在、これらすべての作品を審査員が鑑賞・審査しており、その結果が順次、運営側に届きつつあります。

私たちは、あらかじめ「これが良き観光映像である」という確固とした像を持っているわけではありません。みなさまから届いた観光映像を一本一本鑑賞し、新しい世界に出会い、ときに尖った感性に打ちのめされながら、これからの観光映像とはどんなものかを感じ、そして「この映像をもっと世の中に届けたい」という思いによって、受賞作品を選出しています。

私自身のことになりますが、もともと私は建築家を志した学生でした。世の中が少しでも美しくなってほしい、そして人々の人生が、その美しい空間の中で奏でられてほしい——そんな思いから建築を学び、その後、都市計画の分野へと進みました。街のこれからを考えるためです。

しかし、ご存知のとおり、日本の街のあり方は理想だけで語れるものではありません。都市計画制度の問題、人口減少、人々の価値観の差異など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。とりわけ、今後30年で人口が半減すると予測されている地方都市の現状は、非常に厳しいものがあります。

でも、だからこそ。だからこそ、観光の力が必要になります。観光は、世界に彩を与える営みです。土地があり、そこに生きていた人たちがいた。それを、私たちは時には目を背けることになることもあり、そして、時に美しいと感じます。では、その「美しさ」とは何か。それはおそらく、人それぞれに勇気を与えるもの——自分自身が美しく生きる可能性を、示してくれるものなのです。

観光映像は、訪日外国人の急激な増加にともなって生じているネガティブな感情に対し、ポジティブなイメージを提示する力を持っています。世の中が悪い方向へ進んでいるのではないかと感じている人々に対して、「こうした関係性であれば、幸せな共存が可能なのではないか」という理想のモデルを、具体的な形として示すことができるのです。そしてそれは、次の世代へ美しい場所をつないでいくための、一つの目標にもなります。

今年の応募総数は非常に多く、授賞式の時間や枠の制約もあり、多くの方にとっては不本意な結果をお伝えすることになるかもしれません。それでも私たちは、世界の美しさを共に見つめ、それを届けようとする使命を分かち合う仲間だと考えています。

この映像祭は、そうした仲間が集まる場所です。審査の結果に関係なく、ぜひ、足を運んでください。観光映像の企画を担う自治体職員の方、映像制作を作家に依頼するDMOや観光協会の方、そして予算や条件という制約の中でも、自らの感性を信じ、より良い映像を生み出そうとする作家の方々。

一緒に語り合いましょう。

木川剛志
総合ディレクター, 日本国際観光映像祭

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